
【平成15年6月29日(日)/南会津 志津倉山】
巨大なスラブの雨乞岩
【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】南会津
【山名と標高】志津倉山 1,234m
【天候】曇り時々雨
【温泉】福島県柳津町 天然の湯「温泉施設館」310円
【行程と参考コースタイム】
自宅7:00=(R121,49,252経由)=登山口10:00(110km)
登山口10:15〜水場11:05〜三本松11:25〜ブナ平11:40〜志津倉山11:50〜大辺峠への分岐12:10〜登山口12:55
【概要】
志津倉山は福島県の三島町、昭和村、柳津町の境に位置し、雨乞伝説をはじめとして昔から数々の伝説に彩られた山として知られている。奥深い山なのでアプローチは荒れた林道を想像していたが、道路は意外にも舗装されており、登山口まではそれほど難儀せずにたどり着くことができた。今日は雨模様にもかかわらず駐車場には7台ものマイカーがあって、こんな天候でも登る人はやはりいるのだなあと今更ながら感心してしまった。
大沢に架かる橋を渡ったところに志津倉山の登山口がある。入口に案内板があり、左手の大沢に沿って登山道が続いている。登り始めるとすぐに右手の細ヒドコースと左手の大沢コースとの分岐に出会った。細ヒドコースは復路に下ってくることにして、ガイドブックに従い大沢コースを進む。はじめは雨具を着て登りはじめたものの、樹林帯に入ると蒸し暑さに耐えきれなくなり、途中から半袖のTシャツで歩いた。雨は降っていても気温はかなり高いのだ。やがて右手には大きなスラブ状の雨乞岩が見えてくる。その黒光りするような雨乞岩は雨で薄暗いこともあって何となく不気味な感じがした。その後もしばらくこの雨乞岩を眺めながらの登りが続いた。最後の水場だという大沢を横切ると道はシャクナゲ坂の急坂となり、予想外の勾配とヤセ尾根にびっくりする。しかし名前の割には盛りは過ぎてしまったのか、肝心のシャクナゲは2〜3本程度しか咲いていなかった。
しばらく足場の悪い岩場が続く。雨は霧雨程度だが濡れた岩場は滑りやすいので気が抜けなかった。右手は垂直の断崖となっており、ヤセ尾根には鎖場もあるので登るにつれて緊張感が増してくる。屏風岩や三本松の標識を過ぎると周囲にはブナ林が広がった。深緑に覆われたブナ林は美しく、また霧に包まれた様相は幻想的な雰囲気さえ漂っている。勾配が少し緩やかになるとブナ平の稜線に出た。この分岐では4人の登山者が休憩中だったが、すっかり視界が遮られてしまい、みんな心なしか元気がなかった。
分岐からは10分ほどで志津倉山の山頂に到着した。周囲は鬱蒼としたブナ林だが、尾根の両側が開けているので、晴れていれば飯豊連峰や磐梯、吾妻、さらには七ガ岳などの南会津の山々がほとんど見渡せるほどだいう。しかしあいにくの雨模様にはがっかりするばかりで、私は真っ白い空を恨めしく眺めるだけであった。
山頂からは登山道を西に真っ直ぐに進む。なだらかな道をしばらく下って行くと、細ヒドコースを示す標識が現れて、そこからは尾根伝いの急な下り坂となった。大辺峠への分岐といっても今は廃道らしく峠に下る道はない。途中、背丈ほどの草が生い茂って一部ヤブになっていたがまもなく道は明瞭になった。この細ヒドコースは滑落などの心配もない、とても歩きやすいブナ林の中の登山道で、断崖絶壁が続く往路のヤセ尾根とは対照的であった。やがて大沢コースとの合流点がもうまもなくと思われる頃、大勢の登山者に追いついた。聞いてみるとこの集団は16人もの中高年の団体で、みんな雨などどこ吹く風とばかり活気に満ち溢れており、その元気な様子にはただ唖然とするばかりである。ここでは今まで静かだった山道がまるでウソのように騒然とした雰囲気に包まれていた。
雨に煙る志津倉山頂